お盆を振り返る

祖父が余命1年を宣告されたということを祖父の家に向う途中で聞かされた。急に祖父にどんな顔して会えばいいのか不安になる。1年ぶりに会うのだ。

 

どんな顔で会うかも決められず、家に着いてしまった。

 

ぱっと、末期ガン患者とはわからない程元気で食欲旺盛だった。

おかしな話だが、少し安心してしまう。医者には、どこに行ってもいいし、何を食べてもいいと言われ、突き放されているのかどうかさえよくわからない。進行が遅いことだけが救いに思えた。

祖父は、昔から笑顔を見せることはほとんどなく、寡黙な人だった。写真を撮るのが好きで、日本中をよく旅行していた。かつては何かの雑誌に取り上げられ、リビングには自慢の写真達が額に入れて飾ってあった。

 

私は余命宣告を受けたら、何を思うのだろう。人生を振り返り、やり残したことはないか、残りの時間を何に使うか考えているうちに最期を迎えてしまうだろう。

 

転勤族の私は、祖父の家までは遠く、交通のアクセスも悪い。なんだかそれだけで、自分が悪いことをしているみたいで惨めだった。不可抗力ではあるが、そんなことより祖父母の方が大切だと思う。

帰り際、 祖母が元気でねと言いながら泣いていた。祖母の涙は初めてで、何も言い返せなかった。心の中で、また来るねと返事をした。

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